スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←更新再開のお知らせ☆ 
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



【更新再開のお知らせ☆】へ  
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

花より男子~Boys Over Flowers~番外編

♪番外編『君との約束・・』

 ←更新再開のお知らせ☆ 
brrrrr・・・・

緑に生い茂った葉を真っ青な空へと伸ばしながら変わらず立ったままの木々の先に、
   車が何台も通っていく。

小道に沿ってずっと続く木々の一本。
その前で、そんな車を何台も目で追っては時計を見る
   黒髪の女の子が、息を吐いた。

はぁ・・。
時計を見ると、時計の針は約束していた時間をとうに超え、もう3時になろうとしていた。

時計を見る大きな目は細められ、
   ぷっくりと柔らかな光を含んだ唇は、小さく先を尖らされていた。

「・・・・お腹すいた。」
真っ黒な髪を緩やかに三つ編みにし、
    時計から目を離したその娘、ジャンディが、呟いた。

「お腹すいた!!
    ク・ジュンピョ~~!!!」
相変わらず通り過ぎていく車を前に、
   ジャンディが叫んだ。

ジャンディが叫んでも、車は一台も目の前に停まることはなく、
   歩く人々の目が、一瞬ジャンディを驚いたように見たからと言って、
      駆け寄ってくるものはいない。

そう、約束の人物はまだ、現れないのだ。

携帯電話を見ても、そこに新しいメッセージはなく、
   着信の後もない。

ふぅ・・。
肩を落とすように息を吐くと、
    ジャンディは、ようやく、ずっとポケットで震え続けていたもう一つの携帯を、手に取った。
「・・・はい・・。」
ジャンディの耳に、
    割れんばかりの高い叫び声が聞こえてきた。

「いつまでサボってるつもりなの!!??
    こっちはもう大忙しよ!!!!」
同じ病院で働く同僚のウンジュだ。

「・・・ごめん・・」
耳から少し携帯を離しながらも、
   珍しく素直にジャンディが答えた。
~~
「・・・・。」
その声に、
  ざわざわと混み合った診察室前の廊下を抜けつつ、目を見開いたウンジュ。

「なによ。
   今一緒じゃないの?」
少し尖らせつつ聞いた言葉には、
     ほんの少し、携帯の先でまた一人なのであろう友人への気遣いが、含まれていた。

「・・・・。
   すぐ戻る!
ッ。。
 ッツー・・ツー・・」
質問には答えずに切られた携帯画面を見つつ、ウンジュが大きな息を吐いた。

「クム・ジャンディ。
    あんたの彼氏って一体何なのよ?

いつもいつもジャンディを置き去りで。」
切れて画面の暗くなったスマホに向かって、顔を顰めるウンジュ。

ポケットにしまいつつ、受付まで来ると、
「今日の夜勤メンバー誰?」
覗き込むようにして、受付にあるパソコンを指さした。

~~
真っ直ぐに伸びた皺ひとつないスーツの先、高級そうな尖った皮靴が、乱暴に揺れる。
   長い脚を組んだそのつま先が、その先をイライラとした感情を隠すことなく表している。

「いい加減にしろ!!
    いつまで待たせるんだ!!」
韓国語で傍に控えた男に言うが、
  目の前には冗談など通じなさそうな相手、
   表情を隠すように布で顔回りを覆った最重要取引相手が声を潜めて、何やら話し込んでいた。

「こっちは折れて折れて、話を進めてきたはずだ!
   それがなんでこうなった!」
これ以上なく鋭くなった目で周りの役員たちの顔を睨んだが、
   誰一人、答えるものはいない。

もう10か月になるか。
  少しずつ進めてきたプロジェクトが、ようやく完成するかと思えた矢先、
      突然取引相手の代表者の交代が告げられたかと思うと、
  何百億ウォンもすでに費やしてきたプロジェクト自体が、危うくなってきた。

ク・ジュンピョの怒りは全ての重役だけでなく、
   相手の訳者にも、余すことなく伝わっているらしい。

一言一言、びくびくとジュンピョの顔色を窺いながら先ほどからのやり取りをまだ、伝えている。

「はぁ!!!!」
イライラと息を吐き出すと、
  ジュンピョが腕時計に目をやった。

「くっそ!!」
ジュンピョが拳を握り、ぎゅっと目を閉じた。

約束の時間をとうに四時間も超えている。

一秒でも早く会いたいのに。
  今日こそは、会えると約束したのに。

アイツとの約束を守らなかったのはこれで何度目か、分からない。

「・・・・・っは・・」
自嘲気味に口元に笑みを浮かべると、
   ゆっくりとジュンピョが目を開けた。

広いのに、息苦しい閉じられた部屋。
  難しい顔でああでもないこうでもない。何を言っても納得しない相手・・。

その時、
  ピコン。
 どうやって入ったのか、仕事用のPCの画面の端に、メッセージが入った。

一瞬、顔を顰めたジュンピョが、
   すぐに目を見開いた。

=A.M.11:30   時間休にて外出。
  P.M.3:30   戻る。明らかに元気のない顔。
           チョコを渡す。少しだけ、笑う。
 P.M.3:45    元気な笑顔で患者を励ます。
          ・・が、誰も見ていないところで・・何度も携帯を気にする様子。

「・・・・・。」
唯一・・ジュンピョの胸に占める一人の女の様子がまざまざと脳裏に浮かぶと
眉間に思い切り皺を寄せつつも、
   胸元のポケットに入れた携帯を手に取りかけ・・

ぐっと、こぶしを握り締めたジュンピョ。

ピコン。
 また、一つのメッセージが入った。 

開くと、それは一枚の写真で・・
 暗い廊下で、カルテを手に持ちながら、そっと携帯を見ている医師の、姿・・。

横顔が遠くて、思わず目を細めるジュンピョ。

ピコン。
  そのメッセージに、細めた目をさらに細めた。

=P.M.6:00   落ち込んだクム・ジャンディを、ジフが夕食に誘う。

ジュンピョの大きな目が、今まで以上に鋭く、その画面を睨んだ。

唇をぐっと、噛みしめるも、
   目の前の状況は変わらない・・。

ッチッチッチ・・・
  時計の針だけが先へと進み、 
    首を横に振ったり、口々に何か不満らしい言葉を並べる男たち・・。
          
まだ、難しい顔をして話し合う男たちに、アラビア語で、ジュンピョが言った。
『OK。
  もう一度始めから・・
    このコンセプトから・・見直しましょう。お互いに。時間をかけて・・。』
~~
「お疲れさまでした。
   お先に失礼します!」
  「お疲れさまでした~」

薄い青色の手術着を大きなかごへと脱いだところで、次々に声をかけられるジャンディ。

「お疲れさまでした・・。」
すでにぷるっとしたグロスの光の失せた唇が、聞こえるか聞こえないかの声を出した。

「おつかれ!」
下がった両肩を、
   ぽん!
  大きな手が包み込んだ。

手の主は分かっている。

ジャンディの真ん丸な疲れた目が少しだけ細まり、
   口元が、きゅっと、上がった。

「もぅ。
  誰かと思ったら。先輩。」
振り返って笑うジャンディの顔に、
   ジフが笑った。

ふふふ。
  両肩を優しく包む手を、そっとはがしつつ、振り向いたジャンディに、
    ジフの笑顔の下、眉がそっと下がった。

「なに?
   またなんかあった?」
ジフが、まるで魔法のように、白衣のポケットから温かいコーヒーを出した。

「・・・・ふふ。
   何もないのに。」
ジャンディの唇の両端が、またきゅっと上がる。

ジフは知っているのだ。
   ジャンディが素直になれない時、強がるために唇の端を上げるってことを・・。

「・・・・。」
ジフも、無言で唇の端を上げながら、控室へと戻るジャンディの後をついて行った。

「先輩はもう上がりですか?今日は?」
新しい白衣をロッカーから出し、羽織ろうとしたジャンディに、
   スイッと、その白衣を取り上げてハンガーへと戻したジフ。

「もう帰るよ。
    クム・ジャンディと一緒に。」

きょとんと真ん丸な目を、さらに丸くしたジャンディの方を見ず、
    ジフは笑ってロッカーから、ジャンディへとジャンディの服のかかったハンガーを渡した。

「着替えておいで。
   待ってるから。」
ジャンディの鞄を持ちつつ、
  顎先で指示したジフ。

「??
 今日は私・・」
ジャンディが言いかける言葉を遮るように、

「あんたの代わりは私が入るから。」
バン!
  ジャンディのロッカーを乱暴に閉めつつ、ウンジュが言った。

「・・・??!」
訳が分からないとばかりに、眉間にしわを寄せてきゅっと唇を尖らせたジャンディが、
  二人を交互に見る。

「まぁた何かたくらんで・・?」
尖らせた唇でジャンディがウンジュに言うと、

「あぁ!もう!早く!」
ジフが笑いながら、ジャンディの背を押した。

「私が優しいから、クム・ジャンディの代わりに、仕事に励むだけですよね~♥先輩~♡」
ウンジュが思い切りにっこりと笑ってジフへと言うので、
「ばか。」
  ジャンディも笑いながら、素直に着替えに行った。
~~
「先輩!  
   お待たせしました!」
病院の入り口近くで、ジャンディの方を向き、微笑んで立つジフの元へと走って向かうジャンディ。

病院から出ると、
   久しぶりに通り過ぎる人々のジフへと向かう視線を、感じた。
・・・最も・・ジャンディが隣に座る男は皆、視線を集めるのだけれど・・。

ふと、一番最近で、最後にその男と会った日のことを、思い出した。
~~
~~
とても寒い日で、その日もジャンディは一人、立って待っていた。
こっぽりと、もこもこと温かいマフラーを口先まで覆い、
   肩をすくめて寒さをしのいでいると・・
急いで走ってきたらしい背の高い男が、
       真っ白な息を切らせて目の前に立った。

「・・・・。」
ジャンディが、そっと、見上げた。
  いつもいつも、会う日が久しぶりだからか、胸がどきどきして、言葉が素直に出てこないのだ。
白い息がマフラーから漏れる。
一瞬、見つめあった二人だったが・・
  一言ジャンディが発する前に、くっと、マフラーの温かみが下げられ、
    代わりに屈んだジュンピョの・・あたたかな唇が、触れた。

「・・・・・っ!!?」
それは本当に一瞬で。
  笑ってマフラーをすぐに元の位置に戻すと、
    ようやく息を整えたらしい男が、にかっと大きな形のいい口を横に広げた。
「びっくりしたろ?」
満足げに笑うジュンピョ。
「久しぶりに会うといい男がもっといい男になってて。」
ー何をバカな・・
そう、言おうと思ったのに・・
   ふと、ジュンピョの周りを通り過ぎる女性たちが、
    あちこちからこちらを振り向いて見ているのが見えて・・

かぁぁぁぁ。
  今さら、顔全体が熱く熱を持つと、
きゅっと、マフラーを目元まで上げて自分の顔を隠し、
   ぎゅ。
その、久しぶりに会ったバカな男の袖を、引っ張った。
「もぅ!なんでいつもそういうこといきなり・・」
見えはしないが、
  ジャンディの顔はきっと真っ赤だ。後ろから見える耳が、真っ赤だから。

ジュンピョは、それすらも満足げに、
   少し首をかしげつつも、口の端を上げて笑う。

「あんたがいい男なのは分かったから!
    おなかすいた!早く行こう!」

くくっ!!
  はっはっは!
後ろでおかしげに笑う、バカな男が、恨めしいが、
  胸が、どきどきして、寒かった身体が、一気に熱くなった。

ジュンピョは、そっと、袖を掴んでいたジャンディの手を離すと、
         あったかい手で包み直した。
~~
~~
ーあれが・・最近か!

いつの間に冬を抜けたのだろう。
  6時を過ぎた時間だというのに、まだ空は明るく、もう、白い息も出ない。

毎日毎日、   
  来たり来なかったりの電話を待って、
    来たり来なかったりの返事も期待せずに、LIMEで色々報告して・・。

日々、状況の変わっていく病院内で、無我夢中に働いてきたから・・。
  アイツが頑張るから、
    私も、そうしようと、約束したから・・。

普段通ってきているのに、季節も、そう言えばゆっくり感じてはいなかった。 

『明日、12時に食べに行こう』
久しぶりに来たこちらの都合無視のLIMEが、どんなに嬉しかったか・・。

「・・・・。」
隣で、俯きながら百面相のように笑ったり、元気のなくなる女を、
   黙ってちらり、ちらりと見るジフ。
その、表情全てが、隣にいる自分ではなく、
   別の奴の・・ジフにとっても、大事な友の、ためのもの。
一人、ふっと口の端を上げて笑うジフ。

「お腹すいただろ?
   何が食べたい?」
ジフが聞いた。
その言葉に、 
  ふっと、顔を上げたジャンディ・・。
真ん丸な目が、何か言いたげに・・。
「あの・・先輩・・
 私・・お腹はそんなに・・減ってないんだけど・・
   その・・
 もしかして・・今日のこと・・何か聞いてるとか・・?」
そっと、目を上げてぎこちなく口を開いたジャンディ。

「なにって?何??」
きょとんと、聞き返したジフ。

「あ、ううん・・!
  何もなければ・・いいんだけど・・」
しどろもどろに答えるジャンディに、

「ん~・・誰から何を聞くんだろ・・?

例えば・・?
 あぁ。確か昨日までアラブ諸国を回ってたク・ジュンピョ・・とか?

 まさか・・今日アイツに会う予定だったとか?
 
 それから・・
    アイツがまた、仕事で来れなかった・・とか、そんな感じの?」
真剣な顔でいつものようにからかってふざけるジフを見て、
 一瞬顔を顰めたものの、
しゅん。
 諦めたように、ジャンディが口を尖らせて俯いた。
「聞いてないんですよね。何も。」
ジャンディの質問には答えず、今度はジフが重ねて言った。

「お腹すいてないわけないよな?
   昼もどうせ俺があげたチョコ以外食べてないだろうし・・」
有無を言わさず、ジャンディに言い聞かせるように一人納得すると、
   ジフがジャンディの手を取って歩いた。
~~
二人の足は、一見して店とは思えない真っ黒の建物の前で、止まった。
止まると同時に、壁だった一部が開き、中から真っ黒なスーツの男性が、
    丁寧に会釈しつつ、出てきた。
会員制の、F4御用達の店だ。

「先輩・・」
おずおずと、
  その仰々しい建物と男性を見ながらジフに繋がれて離れない手を離そうとするジャンディ。

「アイツからは何も聞いてないけど・・。」
その店員へと手で軽く合図しつつ、
  ジフの目は、俯いたジャンディから、
     その後ろへと向かった。

繋がった手は、
   ジフの手の力で、辛うじて、まだジフの手の中で収まったままだった。

その手を見ながら言った。
「・・・・俺からは宣戦布告、した、かな。
    そう言えば。」
表情すら変えずに、
      さらりと、何事もないように。

「えぇ??」
素っ頓狂な声を上げ、顔を上げたジャンディ。

っは!
  はぁ。はぁっ!!
振り向く間もなく、
   あっという間に、目の前が真っ暗に、なった。 
荒い息。
  ばくばくと脈打つ、早い鼓動・・。

何一つ、見えなかったけれど、
  誰の腕の中か・・てことは、すぐにわかった。

大好きな、香り・・・。

片方の腕でジャンディの頭を胸に抱き、
   ようやく息をついたジュンピョが、息を切らしながら、ジフの方を睨んだ。

「全くお前・・
   探したじゃねえかよ!!」
息に合わせて声も荒いのに、
   その口先は、ほんのり上に上がっていた。

「え?ほんと??まさか。
   ク・ジュンピョの力を持ってしたら、世界のどこにいても見つけられるでしょ。」

ジュンピョにジャンディの手を乱暴に取られ、
   諦めたように手を離して笑ったジフ。

「ここ入ったらGPSも使えないってのは・・
   わざとか?偶然か??」
顎で目の先の店を指しながら、ジュンピョが聞くが・・
   今まで、数えきれないほど、その手で財団の面倒な会議や見合いから逃げてきたはずのジフが、
 悪びれもせず、さらっと答えた。
「あ、そうか。
  忘れてた。」

そんな二人の会話を、どこか遠くのように聞きながら、
  そっとジュンピョの胸元で、顔を上げたジャンディ。

「ク・ジュンピョ・・」
不思議そうに見上げた顔があまりにも間抜けで・・
   可愛くて・・

ぷはっ!
  ジュンピョの顔が、甘く解けて、笑った。

「あぁあ。
  あとちょっとで、俺の方に今度こそ、来たかもしれなかったのに。」
そんな二人を見ながら笑ったジフ。

「そんなわけねぇだろ!」
片腕の中に、まだジャンディを収めながら、ジュンピョも笑った。

「なんでここに?」
ジャンディの言葉に、
  ジュンピョがすかさず返した。
「なんで??
   それは俺のセリフだろ!

お前こそなんでのこのここんな奴と二人きりでここまで来てんだよ!?」

腕は離さぬまま、
   至近距離で目を逸らすこともなく睨みつけてくるジュンピョ。

「はぁ??
  こんな奴?!
    二人きり??

誰かさんのお蔭でお昼を食べ損ねた私を気遣ってここまでつれてきてくれたんでしょ!!
  同僚にまで迷惑かけることになってね!」
思い切り唇を尖らせ、
   抜け出そうとジュンピョの胸を押すジャンディ。
「ジフ先輩に謝りなさい!ク・ジュンピョ!」
だが、
  いくら胸から離れようともがいても、ジュンピョの腕は離れない。

「悪かったよ!!
   悪かったな。ユン・ジフ。」
半分八つ当たり気味に言ったジュンピョ。
「お前らが一緒だと思うと色々思い出して胸糞悪くなるんだよ!」
そっぽを向きながらジュンピョが言うので・・

「「・・・・・。」」
くるりとした目をジフに合わせたジャンディが、笑った。
「ジフ先輩とはずっと一緒にいるじゃない(笑)今日だけじゃなく」
あははっ
声を出して笑うジャンディを見て、
     ジフも笑った。

「まぁ・・。俺は誰か見たいに見合いを強要されることもないし・・
   記憶をなくすこともないし・・
     こいつのこと、泣かせたことも、ないからさ・・

お前がもう一度記憶でもなくしてくれないかとは狙ってるんだけど?」
ジフが笑いながら、ジュンピョの肩へと手を置き、
    ゆっくりと帰って行く。

「え?
  先輩も一緒に・・」
後ろ姿にジャンディが呼びかけたところで、
「お前はさ、
   一度、素直に甘えた方がいいよ。
例えジュンピョを多少無理させることになっても。」
ジフが、優しい目で、ジャンディへと振り返った。

「普段お前が、どんな顔なのか、
    どんな風に寂しい気持ちを耐えてるのか。
 どんな風にソイツの為に頑張っているのか・・。

 ソイツは、分からないほど馬鹿じゃないから。」
ジフが、ジャンディにそういうと、
   後ろを向いて、手を振りながら呼び止めたタクシーへと乗り込んだ。

「・・・・・。」
  「・・・・・。」

後ろ姿を見ながら、
   ジャンディがジュンピョをそっと、見上げた。

「大丈夫なの?」

素直じゃない言い方の奥、真ん丸な目が、不安げに、揺れる。

「なにが?」
そっけなく言いながらもまじまじと、ジャンディの顔を見つめたジュンピョ。
心配そうな目のジャンディに気付かぬふりをしつつ、
       背を屈むと、柔らかなほっぺを片手でそっと摘まんだ。

「お前は大丈夫か?
  今日もすっぽかされて・・」
ジュンピョの目が、ジャンディの目を間近にとらえ、
        細められる。

「・・・・・。」
そんなジュンピョを、じっと見つめたジャンディ。

「ここへはどうして来たの?
     仕事は大丈夫なの?
昼間は・・
  今日は・・
私も手術が入ったり、救急の患者が多くって出られなかったの。
すっぽかしたのね?また・・。じゃあよかった。」
ジャンディが、早口でそう言うと、
   口の端を、きゅっと上げて、笑った。

「今はとりあえず、時間はあるのね?」
ジャンディの顔を、
  どこか切なそうに見つめたままだったジュンピョが、背を伸ばすと頷いた。

「お腹すいたでしょ。
  じゃあ・・帰ろう。」
ジャンディの言葉に、
「お前・・
   やっぱり怒ってるのか??

俺がどんな思いでここまで来たかっ!」
帰ろうとするジャンディの腕を焦って引っ張ったジュンピョ。

「怒ってないよ。
    怒るはずがないでしょ。」
ジャンディがおかしそうに振り返ると、
   店の前でずっと立って二人を待っているのであろう従業員へとお辞儀をしながら、
     思い切りジュンピョを引っ張った。

「なんだ。」
今度は、ジュンピョの顔が一気に崩れた。
「そういうことか。
     俺と早くその・・待ちきれないんだろ??」
っく!喉の奥で堪えきれずに笑ってわざとらしく意味深にジャンディを見るジュンピョに、
「っは。」
呆れたように笑って首を振ったジャンディ。


「約束のために、来てくれたんでしょ?
   私との約束を守るために、無理してくれたんでしょ。」
引っ張られながら、そう言うジャンディの後ろ姿を 
   じっと、見つめるジュンピョ。

「うちに帰ってゆっくりしようよ。
     栄養のあるもの作るから。」
振り返ったジャンディの笑顔があまりにまぶしくて、
    ジュンピョは何も言えぬまま、ただ引っ張られるままジャンディについて行った。

「もう、何も分からず離れてる時間を不安がる子供じゃないよ。」
前を向いたジャンディは、
    ただ手を引きながら、そう、言った。

brrrrr・・・・・
  車が何台も、二人の横を通り過ぎ、
     通り過ぎる人は何人も、引っ張られて歩く整いすぎた長身のク・ジュンピョを、目で追った。

ジャンディは、前を向いて嬉しそうに、口元を上げて笑った。
  
~~
「じゃ~~~~ん♪
   食べよ食べよ?」
狭い部屋の、狭い机の上に、ぎりぎり落ちない数だ様々な皿が並んだ。

ジュンピョは行儀も悪く箸を口にくわえると、
「なんだよ。
   疲れてるお前に作らせなくてもあそこで食って帰ればよかったのに。」
そっと、目を上げてジャンディを見る。
  その口元は、どこか隠しきれない嬉しさが、ほんの少し上がった口の端に表れているようだ。

「豪華な外食は嫌と言うほどしてるでしょ?
   家での食事程、栄養面、健康面、節約と、理に適ってるものはないんだから。」
くふふ。
  ジャンディも、手を合わせながら嬉しそうに笑った。

ピロン。
 食べようとしたジュンピョの携帯が鳴った。

ぱくぱくと、ようやく口に入った食べ物に、
  頬を押えつつ食べるジャンディの前、スマホの画面から目を離さず、ジュンピョが聞いた。
「俺が来なくて
    泣きそうになったろ?」
むぐっ!!!
のどに詰まったものを押し込むため胸を強く叩くジャンディ。

「俺から連絡できなくて、
   本当に本当に悪かった。
 死ぬ気で終わらせたから今ここにいんだけど・・

でも、それでもお前が寂しくて俺がいないと水も喉を通らないなんて・・・」
ジュンピョの言葉に、
「こほっ・・
   けほっ!!???
 何言って・・」
ジャンディが目を見開いた目の前に・・

「・・・・・っ!!!!!」
大きな画面に映る、いくつもの写真が見えた。
  ジャンディが見ている間にも、次々と
 ピロン。
   ピロン。
写真が送られ続けてくる。

廊下で肩を落として佇む、線のか細い小さな女性。
   元気なく誰かと話す様子の、横顔。

携帯を覗き見る、寂しそうな姿・・

他にも・・
   他にも・・

送られてくるのは、全て、いつ撮ったのか今日のジャンディの様子だ。
「胸が痛むな。
  どうやって責任を取ろう・・」
ジャンディに写真を見せながらも、  
      さも嬉しそうに笑うジュンピョ。
「っちょっと!!
   消して!!誰からなの!??それ!!許さない!!」
ジャンディが慌てて取り上げようと手を伸ばした途端・・
   それを狙っていたかのように、ジャンディはジュンピョの上に倒れこむこととなった。

!!!!!!

急に、近づいた互いの顔・・

「・・・・・・。」
きゅっと、唇を閉ざすと、
  じっと、高い鼻、大きな切れ長の目・・の整いすぎたジュンピョの顔を見つめたジャンディ。

ただ、会えた今がうれしくて・・
  それでいて、少しだけ
    今日会えなかった時の寂しさも思い出した・・こともあるのかもしれない・・

じんわりと、ジャンディの目全体が水分を帯びた幕を張ったように、光った。

「行けなくてごめん。」
ちゅ・・。
低い声で呟いた後、
   軽くふっくらしたジャンディの唇に、自身のそれを重ねたジュンピョ。

「いつも寂しくさせてごめん。」
ちゅ・・。
今度は、もう少しだけ、押し付けるように、
   ジャンディの唇に唇を、重ねた。

「今日だけじゃないし。
   あんたの会社には、あんたがいないと・・」
ジャンディの目はジュンピョの目から一瞬も離れない。

「できる男だからな。」
ジュンピョが起き上ると、
   胸に小さなジャンディを収めるように抱きしめた。

片手で胸に押さえつけるように、
   ジャンディの髪を優しく撫でる。
「いい男になりすぎたかな。」
そう言っていつものようにかかっと笑ったが、
   ジャンディの顔をそっと自分の方へと向けると、
「でもお前がいい女になりすぎて、
    俺の方が不安だ。」
頬を優しく包みながら、まっすぐに、目を見て言った。

「クム・ジャンディ、ごめん。
   いつも、ごめん。

いつも、ありがとう。」
ジュンピョの唇がまっすぐに・・
   ジャンディの何か言いかけた口を塞ぎ・・・

目を閉じたジャンディの目から、
      つつ・・
         透明の、涙が、頬を包むジュンピョの指先を濡らした。

ゆっくりと、
   ゆっくりと、
 そっと・・
   深く・・

重ねる二人の唇。。

「12時・・」
離れた隙間から、
   ジャンディの声が漏れた。

「?」
ジュンピョが一瞬問うように唇を離すと、
   ジャンディが時計を指した。
「12時の約束。 
    まだ早いよ。大丈夫。」
っふ。
二人で目を合わせると、おかしそうにどちらからともなく、笑った。

「・・・。」
  「・・・・。」
じっと、互いの目を見ると・・
  くしゃっと、顔を崩して笑いつつ、もう一度、唇をくっつけた。
  
12時・・約束の時間までまだしばらくある。
    もうしばらく・・お腹の空腹の、我慢の限界が来るまで・・
      食事は後でもいいのじゃないか・・。
           ・・・冷めるけど・・・。

机の上の料理はそのままに・・
   二人の姿は卓上から、消えた。

~~ 
「っは~~!!
   ジフと一緒にいるお前に会ってから・・
       じゃないな。
 今日会えるって思ってから・・
     ずっと我慢してたから、やっと息ができた。」
横になり、
  胸にジャンディを包みながら、ジュンピョが唐突に、言った。
「っもう!」
ジャンディが口を尖らせて、ジュンピョの広い胸を叩く。

ぺちっ!
叩いた手を掴まれたジャンディ・・
「約束なんてしなくても、
   お互い帰る場所が一緒だといいな。」
ジュンピョが言った。
「・・・・約束がなくても・・か」
ふと、ジャンディもつぶやいたが・・
まだ、口の端を上げて見つめてくるジュンピョの視線に・・
「あ・・!!
   ごはん!ご飯を温めてくる!」
逃げようとするも・・
  また、その懐に引っ張り込まれてしまった・・・。

時計の針が、12を回ろうとしている・・。
   二人は、そんなことも気付かぬまま・・・

  ・・・・・

久しぶりに会えた二人の夜が、ゆっくりと、
     ゆっくりと・・・
  時計の針と共に、過ぎていく・・。

*****************************************

お久しぶりです!!。゚(゚´Д`゚)゚。

  久しぶりと言うには年月がたちすぎておりますね。

ブロとも申請くださった方、
   今なお、このブログを見つけ、読んでくださった方、

ありがとうございます。|ω・`)

この場があるから、妄想劇を持って帰って来れるのですね。

久しぶりすぎてここも、あちらも、なんとIDを忘れて入れなくなっておりました(笑)
FC2さまに教えていただき(笑)
  明日には久しぶりにあちらに入れるかもしれません(笑)

ゆっくりのんびり、続けてまいります☆
  呆れつつも、たまたま偶然、お暇な時間にお立ち寄りいただけた際に
    ひとつでも、ほっこりとできるお話が読んでいただけるよう、頑張りますヾ(o´∀`o)ノ
スポンサーサイト



【更新再開のお知らせ☆】へ  

~ Comment ~

承認待ちコメント 

このコメントは管理者の承認待ちです

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます

承認待ちコメント 

このコメントは管理者の承認待ちです
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。
  • 【更新再開のお知らせ☆】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。